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草加/築51年 複合施設に再生 東武鉄道の旧社宅

住民の新たな拠点へ ミノリテラス草加

住宅コミュニティーの拠点としてリノベーションされた東武鉄道の旧社宅
住宅コミュニティーの拠点としてリノベーションされた東武鉄道の旧社宅

 東武鉄道(本社・東京都墨田区。都筑豊社長)はこのほど、草加市内の従業員社宅をリノベーションし、賃貸住宅・店舗に広場と農園を併設した複合施設「ミノリテラス草加」(同市氷川町40の1)をオープンした。7月7日には初めての「夏祭り」が行われ、ピザ作りや流しそうめん、短冊に願い事を書くイベントなどに地元住民が約300人集まった。施設運営にはコミュニティー作りの専門家グループも加わっており、築51年の旧社宅が住民コミュニティーの新たな拠点として生まれ変わった形だ。
 同施設は東武スカイツリーライン「草加」駅から徒歩9分。家族向け賃貸住宅44戸、店舗4区画、地域住民も利用できる広場と農園で構成されている。「人とつながる・地域とつながる まちのリビング」をコンセプトに、地域に開かれたコミュニティー施設を目指している。
 敷地面積約4104平方㍍、延べ床面積約3183平方㍍。A~C棟に分かれ、A棟は1階に4区画の店舗、2~4階に賃貸住宅、B、C棟は賃貸住宅メインになる。賃貸住宅は「ソライエアイル草加氷川町」と命名され、専有面積は約53平方㍍だ。
 店舗区画の運営を任されているのはコミュニティー運営会社「ソウカブンカ」(小嶋直代表)で、永田光司さんと小島瑞紀さんが運営とサポートを担当している。101号室はイタリア料理店「Tacasi(タカジ)」。102号室はソウカブンカの事務所で、今後はシェアスペースとしても活用していく予定。
 103号室は「地域とつながるこどものアトリエ」で、子どもたちが気軽に立ち寄れ自由な発想で過ごせる場と、カフェと総菜販売を併設し、地域の人にも開かれている居場所。104号室はシェア工房。木工やレザー加工機などのワークショップを定期的に行ったり、シルクスクリーンでは持ち寄ったエプロンやTシャツに絵柄を刷るワークショップも行っている。「DIYを身近なものにしたい」と永田さんは話す。
 農園にも力を入れている。担当の小島さんは、市内の農家から栽培のアドバイスをもらい管理している。コミュニティー・ファームの会員は現在15組。入会金2200円、月2200円で、「みんなで野菜を植える、育てる、食べる」がテーマ。すでにジャガイモ、トマト、ピーマン、万願寺トウガラシ、ナス、枝豆などを収穫し、今は秋野菜を何にしようか会員と話し合っている最中だ。
 小島さんは「最近、子どもは土いじりをしなくなっている。子どもの教育にもいいと入会する人もいる」と言う。居住者に限らず近隣住民の会員も多く、人と人との関わり合いを目指している。
 同市は、それぞれが思い描く暮らしを自ら作っていく「リノベーションまちづくり」を民間と一緒に推進している。古い社宅をみんなで育むコミュニティー拠点として生まれ変わらせたのは、その好例だ。永田さんと小島さんは「これから関わりを持っていく人たちと、みんなで楽しみながらコミュニティーを作り上げていきたい」と話していた。
 <問い合わせ>
(株)ソウカブンカ・メールsokabunka340@gmail.com